心地よい風を取り入れる家づくりのポイント
こんにちは。
涼を感じられる季節…と言うにはまだまだですが、吹き抜ける風が少し気持ちよく感じられる日が増えてきましたね。
近所を歩いてみても、窓を開けているお宅が少しずつ増えてきている気がします。
さて、アイホームでは太陽光や風といった自然エネルギーを活用する「パッシブデザイン住宅」に力を入れています。
パッシブデザインには様々な要素がありますが、今回は「風の活用」いわゆる、通風計画についてお話します。
パッシブデザインにおける通風計画の目的とは?
通風計画は、パッシブデザインにおいて重要な要素です。なぜなら、通風計画の目的は「快適な住環境」と「人と建物の健康」に密接に絡んでいます。
まず、自然の風を活用することで、心地よい住まい空間が実現できます。
新緑の芽吹く春の風や、秋の訪れを感じさせるそよ風を室内を吹き抜けることで、そこに住まう人は涼を感じることができます。
また、適切な通風計画によって室内に空気の流れを作り、建物内の熱気を排出=換気することで、さらに快適性は高まります。エアコンや扇風機などに頼らないため、省エネにもつながります。
ただし、窓を開けるタイミングには注意が必要です。室温よりも外気温が低く、かつ室内の湿度よりも外の湿度が低いときでなければ、効果が得にくくなります。
これから秋が深まり、日中の気温が下がってくる時期になりますので、窓開けで涼をとるのにぴったりな季節になってきますね。
風通しの良い家は、そこに住む人と建物の健康にも大きな影響を与えます。
室内の空気が新鮮で清潔であることは、住民の健康にダイレクトに影響を与える大切な要素です。適切な通風は、室内の空気品質を向上させ、アレルギーや呼吸器の問題の軽減に役立ちます。
さらに、通風計画は建物の耐久性にも寄与します。湿度の高い状態は、木材などの自然素材をふんだんに使用した家には大敵。空気のよどみが発生すると湿気がたまりやすくなり、知らず知らずのうちにカビやシロアリ被害に悩まされることも考えられます。
通風の良い家は、湿気が原因で起こるカビや結露、シロアリなどから建材を守り、建物の寿命を伸ばしてくれます。
土地を読み、的確に風をとらえる通風計画
通風計画を実践するためには、建物の設計段階から慎重に計画を練る必要があります。
パッシブデザインの通風計画で大切なことは主に4つあります。
1.卓越風向の把握
卓越風向とは、あるエリアの、ある期間で頻繁に吹く風の向きのこと。自然風を効果的に取り入れるため、建物の周辺にどのように風が吹くか把握することが大切です。地形や周辺の建物の配置をはじめ、季節や時間帯で風向きが変わることがあるため、細かく調査します。
2.どの方面からも風が通る窓の配置
建物のどの向きから吹く風も通るよう、出口と入り口になる窓の配置を計画します。
風向きが変わる季節に合わせて窓の利用方法を調整することで、一年中快適な環境を維持できます。
3.上下方向に通る「立体通風」を意識
暖かい空気は高いところにたまるもの。そのため、窓の位置を高低差を利用して設けることで、自然な通風を促進できます。下部の窓から新鮮な空気を取り入れ、上部の窓から暖かい空気を排出します。
4.ウィンドキャッチャーの設置
窓の開閉方向や、風を受け止めるための袖壁を検討することも。窓や袖壁に風が当たることで、風をより効果的に取り込むことができます。
まとめ
パッシブデザイン住宅の通風計画は、快適な暮らしとエネルギー効率の向上に不可欠な要素です。
建物の設計段階から風の通り道を考慮し、窓の配置や換気システムを適切に設計することで、心地よい風を建物内に取り込み、快適性や省エネに貢献します。